「いいひと」戦略―2―
ホリエモンもいい人戦略をしていたのか。
今のホリエモンは、単にメディアに対する不信感から、露出が減っただけだと思ったし、それは丸くなるという事かと思ったが、それが良い人になろうとしていたとは意外だ。
ホリエモンは誰かれ構わず噛みついて、その人の欠点を指摘することで有名になったと何となく認識しているが、実際そんな人がいたら、注目は集まるだろうが、煙たがられて当然だと思う。
それをメディアが持ち上げて、神輿の上で踊るだけ踊らせて、その勢いがあまりに凄まじく、度を越えていたので、メディアが引導を渡した結果になったのか。
確かホリエモンが有名になった時は、高校生の頃だったので、もっと注目していればよかった。
まぁ、でも信者にならなくて良かったと思うが。
他人を傷つけてまでも成功を手にしようと知る様は、あまり気持ちいいものではない。
新しい時代が来ると予感もあったが、出る杭は見事に打たれた。
ただあの頃のホリエモンの勢いがそのまま止まらなく続いたら、現代史に名を遺す人となっただろう。
現代のナポレオンって感じか?
人間は完璧に正しいことを言われた時、絶対に自分が悪くても、相手の態度に気に食わなければ、許さない、恨み辛みも生まれてくる。
人の欠点を指摘できるホリエモンは、その人の無能ぶりに怒り、自分の持ち力に驕り高ぶり、その結果孤立していったのだろう。
そんなんじゃ、気の置ける仲間のような存在がいなかったんじゃないか?
自分以外は全員ライバルだと思っていた収監前のホリエモンは、刺激に満ち満ちていて、常人の感覚が麻痺していたんじゃないのか。
彼は現在、仲間を増やすことに専念しているように思う。裏切られたのが余程トラウマになったんだろう。
独りで出来ることより、皆で何かを達成する事業に、かつての切れ味の良さは邪魔になってくる。
よって戦略的にいい人になることで、かつての刺激に満ちた生活より、協力の方向に大きく舵を取ったわけか。
確かに舵取りしている。それは、自分のやり方が否定された時、それが通用しないと分かって、アイデンティティを根っこから覆す勇気ある決断だと思う。
「堀江さんも丸くなったね。」と皮肉を言われているだろうに、個人でどこまでいけるかの限界を知ったわけだし、それはそうなって然るべきだ。
ジェイルバードはサイコパスの話じゃなかったか。それよりもっと面白い設定だ。
たった数ページのあらすじなのに、どう感想を持ったらいいのかわからない寓話だ。
日本の作家(僕が知っている中の)では思いつきもしない設定に、世界の広さを感じる。
いい人戦略という論を組み立てるのに、自分の読書経験から導き練り出しているのだろう。
日本人は人間の内面を見つめている気がするが、アメリカはもっと外見や体制も含めて人間を描こうとしている気がする。
浮浪者の格好をしている元カノを抱きしめてやるという発想。物語のベクトルが違ってくる。
ただ岡田斗司夫の好きな小説は難しくて理解できない。
難しいのか、書き方が嫌いなのか、月は無慈悲な夜の女王は途中まで読んで本を閉じてしまった。
海外SF作家が皆、読みづらいような書き方をしていないことを望む。
アーサー・C・クラークと小松左京には期待しているが果たして。
SF作家は今では稀有な存在だと思う。
一時代を席巻し、一世を風靡したSF小説であっても、ファンタジー小説に押されて、今では世に出てくるものは稀有な作品になっているように思う。
今の流行りは、異世界転生小説で、その流行りに乗っかるのは、ミーハーな気がして、嫌気がさすが、自分の読んできた小説を分類しても、結局は評価の高いものしか選んできた気がする。
さて、続きだ。お、儒教の復習も出来るのか。
曹操の求賢令とは知らなかった。
僕にとって三国志は三国無双の知識位で止まっている。
やっぱり一から勉強をし直した方が良いのだろうか。
大学に行って自分の知るべきことを一度、学び直したいと思っている。
猶予はまだあるが、大学デビューはラストチャンスだと思う。
しかし、勉強したところで、僕の尊敬している人たちの足元にも及ばないことを考えると、勉強に意味を見出せないでもいる。
トップになることを考えてはいけないんだ。
それでも、自分を今より少し高い位置に行ったとしても、そこには同じようにそれ以上何もできない無力感が付きまとうだろう。
そういうのに耐えるのもまた勉強なのだろうか。
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