ソフィーの世界(上)
ノルウェーに住むもうすぐ15歳の誕生日を迎える少女の元にある日突然送り主の分からぬ手紙が来た。
手紙には、『 あなたはだれ?』とだけ書かれていて、少女は、「私はソフィー・ アムンセンよ」と当然のように答えた。
自分が何者なのか、 どんな自分が私と言えるのか。
端的に聞かれれば簡単な答えが出てくるが、 突き詰めてみるとこんなに深い問いもない。
ソフィーはこれまでの自分が何で構成されているかを考える。
ソフィーの元には送り主不明の手紙が次々と届いた。 それから始まるソフィーの哲学講座。
ソクラテスやプラトン、アリストテレスといった哲学者たちの逸話を元に、ソフィーは深い哲学の世界に誘われる。
ソフィーに哲学を教えてくれるのはアルベルト・ クノックスという謎の人物だ。
アルベルト・ クノックスは存在自体が謎のような不思議を絵にかいたような人物だ。
上巻を読み終えても尚、その謎は解明されていない。
不意にあらわれ、 気が付けばいなくなっているような本当に実在しているかどうかわからないように物語の中では書かれている。
物語の横軸は、過去様々いた哲学者たちの哲学を、一つずつ順を追って紐解いていくものだが、縦軸となるアルベルトの正体はソフィーと共に哲学講座を受けた過 去の少女ヒルダと、
その父アルベルト・ クノーグとの時空を超えたやり取りの中で多重構造的に解明されていく。
正直、読者の対象年齢を大幅に超えているほど難解だ。14 歳のソフィーがあまりにも物分かりが良すぎる。
この本を読むきっかけは、小さい頃に姉が持っていた本で、倫理の勉強をしていることもあり、興味を引かれた。
読んでみて、理解できたところの方が少ない。
哲学の話をするにあたって外せないソクラテスやプラトンの話は勉強したところでもあったので、物語として読むことが出来たが、
その先のギリシャ哲学者たちの紹介や細かな哲学者たちの成したことはあまり大きく取り沙汰されていなかったので、読み飛ばしてしまった。
次の大きな項目はデカルトだった。しかしソクラテスほどの衝撃は無く、詳しく掘り下げていないこともあり何となくで読んでしまった。
哲学の話をするとき、何が正しいか分からなくなることがある。
幸せに正しく生きるための哲学が倫理というが、何かを証明する訳でもなく自分の中である気づきだけがあって、
一人の人の言っていること、考えていることを理解するもの難儀するのに、
世の中にはそれだけを学んで考え方を世に広めていった、そしてそれに影響力があるというのがすごいと思う。
倫理や哲学の勉強をしていると、自分にも哲学を語れる友か先生がいたらなと思う。
自分もアドラー心理学の時のような、孤独に自分と世界を探求し続けていけるのかはわからない。
学ぶほどに知らなければ安穏と暮らせたのかもしれないと思うこともあるし、
自分の出来る限りでいいから隅々まで知りたいと思う気持ちがせめぎ合っている。
あと一歩踏み切れたら何かが変わるかもしれない。