柳 真佐域ブログ

好きなものを好きなだけ語るのだ

2020-01-01から1年間の記事一覧

ソフィーの世界(上)

ノルウェーに住むもうすぐ15歳の誕生日を迎える少女の元にある日突然送り主の分からぬ手紙が来た。 手紙には、『 あなたはだれ?』とだけ書かれていて、少女は、「私はソフィー・ アムンセンよ」と当然のように答えた。 自分が何者なのか、 どんな自分が私と…

ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(上)

ゲーテによる1796年に書かれたドイツの教養小説。 幼い頃に観た人形劇に感銘を受けて、演劇に夢見るようになる商人の子、ヴィルヘルム・ マイスターの大人になり切れないモラトリアムの享受を描いた青年記。 300年前の小説だということもあり、 エンタメ要素…

ゲド戦記2 こわれた腕輪

げど ゲド戦記は、冷たい冬の水か風のような寒々しい気持ちが常に背筋に走って、暗い闇をただ文字だけを頼りに進んでいるような感覚がある。 本来魔法のあるファンタジーの世界というものはそういうものなのかもしれない。煌びやかさなどなく土と風と水と闇…

秋澤いちご園

姉の嫁ぎ先(香川県)にお歳暮を贈るのに、せっかく栃木県に住んでいるんだから、イチゴを贈ろうとして探し当てたいちご園。 羽の生えたクマがイチゴのパンツをはいている可愛らしいパッケージに一目ぼれしてさっそく車を出してイチゴ園へ。 可愛いパッケー…

サクラダリセット4

あれ~?おっかしいな、面白くないぞ。 何でいきなり短編集が始ま ったんだ? あとやり残してる管理局をぶっ壊す話と、相麻菫が生き 返ったあとの話をやらなくちゃ。 てか本筋のそこにしか興味ないか ら、余計な脱線は無駄だからやめてほしい。 面白いならま…

なんとなく生きるのを止める

なんとなく生きるのを止めたいと思う。僕は今までなんとなく生きてきた。 なんとなく朝、買ってきてたあるパンを焼いて食べて朝ご飯を取る。 そのパンは誰が買ってきたものなのか。母が仕事前にスーパーに行って買ってくることもある。父が朝早く起きてコン…

パソコン太郎VSホリエモン対談『これからのオンラインでの働き方』(木原さんに教える用)

まずはじめに、ホリエモンがやっている『HIU(Horie,Innovation,University←かな?)』のオンラインサロンへの入会の案内から始まって、 講師の人が如何にホリエモン大学に入って人生が変わったとスラスラと話していて、信者ビジネスっぽいなぁと思ったのが…

カエアンの聖衣 バリントン・J・ベイリー

聖衣がスーツだという意外性、(表紙には描いてあるんだが)スーツに魅せられた男の話だし、全宇宙の知的生命体に影響を及ぼすこの服は人間の上位の存在として君臨するっていう設定がツボだな。 あんまりキルラキル感は感じなかったけど、鮮血とか生命線繊維っ…

月は無慈悲な夜の女王 ロバート・A・ハインライン

読み終えたけど、感想足る感想がでてこないなぁ。 ストーリー把握のために要約やってみたけど、本当にマニー達がやってきたことだけで、感情が動かされたシーンが一個もなかった。 SFは勉強のためと思って読んでいるのでそんなものかなぁと思いつつ、大衆向…

生きる意味~グローバリズムの「遠近感」~ 上田紀行

ん~言っても仕方のないことだと思うし、だからってどうしたらいいかは教えてくれないのね。 現代の学者の書く本程度の媒体で、導いてくれるとも思ってはいないが、結局のところ、それじゃぁ皆でこの問題について考えてみよう。というだけで、結果何が残るの…

ヴェニスの商人の資本論 岩井克人~ホンモノのおカネの作り方~

ニセガネ作りの極意。それはホンモノのおカネにとって代わってしまうことだ。 と銘打って解説してくれた本単元だったが、結局のところ紙幣になった現金にとって代わるものが出てこない(ポイントやクレジットはあるが)限り、お金という概念を越えた新たなる…

幸せになる勇気

嫌われる勇気の続編にて完結編でもある『幸せになる勇気』。 今回は前回の轍を踏まないように、気になる箇所をメモしながら読んだわけだが、一日で読んだわけでもなかったし、集中も欠いていたから前回のような激しい感動はやってこなかった。 だから、終盤…

愚者のエンドロール 米澤穂信

むわぁーーーーーーー!!!ムズムズするわぁぁぁ!!! 結末を知ってから読むとこんなに計画的に物事が進んでいたのかぁ。 アバンタイトルのほんの数行で誰が誰でパワーバランスがどうなってるのかを改めて知るとこんなにもムズ痒くなるのか! この黒幕を知…

嫌われる勇気

この本を読み終えた時、普段はどんな本を読んだとしても、物にはよるが普通何かしらつらつらと言葉が出てくるものだが、 しかし、感想というものが一文字も湧かない。そんな本だった。何故感想が湧かなかったのか。 それは単に自己啓発書として読み終えて元…

子規句集(4) 正岡子規

岩々のわれめわれめややまつつじ どうしてこんなに簡単に写生句が作れるんだろう。 確かにそりゃそうだろうけど、それだけじゃ何か足りない気がしてしまって、あーだこーだ工夫をしてしまうのが人の常なのではないだろうか。 おー岩の割れ目に山つつじが生え…

羊と鋼の森 宮下奈都

紙みたいな主人公だと思った。自己主張がなく、個性がなく、薄っぺらい真っ白な紙。でも違った。 読んでいく度に、この紙には何か模様みたいのがあって、静かな森の匂いがして、ひょっとしたらちょっとした便箋のような相手に何か言葉を伝えられるもので、と…

子規句集(3) 正岡子規

朝顔にわれ恙なきあした哉 恙(つつが)なきとは、無事に、問題なくという意味だ。 普通の人が恙ない明日としたら、特に問題も起きない朗らかな落ち着いた一日が始まったとするだろうが、子規が書くと、今日は無事朝顔と共に起きることが出来て良かったとい…

山口誓子

つきぬけて天上の紺曼殊沙華 この句で知ったこと。まず天上の紺と来たら夜の闇をイメージしたが、この句で使われている紺色は昼の青空の紺色だということ。それと曼殊沙華が彼岸花だということ。 この句は紺色の(青)空の下に、曼殊沙華が突き抜けるように…

加藤楸邨

鰯雲人に告ぐべきことならず 一見して、鰯雲があんまり綺麗だったから人に伝えたいけど伝えるほどのものではないかという句かと思った(笑) 正しくは人に告げることではないこと、悲しみや切なさや悔しさを胸にグッとしまって顔を上げて鰯雲を見上げている…

幼年期の終わり(感想) アーサー・C・クラーク 

はぁーーーーーーーー!!!読み終わったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!実に読みづらかった! 途中、要約をすることを断念するほど文章が分かりづらく、自分の中に腑に落ちる瞬間が一切なかった。 本格SF作品として読んだのは海底二万里と星新一くらいしかなかった…

調律師 熊谷達也

読み終えた~。意外に速く読むことが出来たな。 ピアノ調律の資料のために買った本だが、最初読んだときは、ピアノが生臭く感じる、 なんてことが書いてあって予備知識もなしに読んだものだから、ミステリーの類いのものかと思って、 顔をしかめて本を閉じて…

子規句集(2) 正岡子規

一日の旅おもしろや萩の原 (ついたち)ではなく、(いちにち)なのかな?そうじゃないと季重なりになってしまう。 旅が面白いなんて当たり前のことも気にせず俳句にしてしまう子規。 高浜虚子はこの句を技巧的と言ったそうだが、どのへんに技巧を凝らしてい…

子規句集 正岡子規

正岡子規 茶の花や利休の像を床の上 高浜虚子選の子規句集の最初に書いてある句。 作られたのは明治二十年。 この年に書いてある句は一つだけなので上手い出来のものは少なかったのだろうか。 季語の茶の花と侘び寂び、茶道の茶聖でも有名な千利休の像が出て…

中村草田男

冬の水一枝の影も欺かず 冬の澄み切った鏡のような水(溜まり)に木の枝が少しも偽ることもせずありのまま写っているという句か。 冬と言うとつい雪景色なんかが浮かんでしまうが、水に着眼点を落としたのは凄く良いな。冬は空気が澄んでいていて、とても好…

水原秋桜子

高嶺星蚕飼の村は寝づまり 蚕飼の村の高い山の上には星が光り、今は朝夕の忙しさも忘れ寝静まっているという句か。 昔、母が学校の授業の一環で蚕を飼っていたことがあったらしいのだが、近代化が進んだ現代を生きる僕たちはそういう経験はしてこなかった。 …

スマートノートー2ー

無駄遣いが多い方だけど、買い物に後悔したのって少ないんだよな。 バイク買って動かなくなって売ったのは後悔してるけど、ちゃんと整備してくれて、 家まで運んでくれたり、バイクをどうやったらいじれるのか知れたら楽しかったかもしれないが、 いじり方を…

村上鬼城

冬蜂の死にどころなく歩きけり 冬の蜂の死に場所はないのに歩き回っている様子を句にしたんだな。 本来、蜂には死に場所なんて考える感情はないが、それを逆説的な視点でもって見て敢えてそれを表すという手法が使われているのだろう。 弱ってもう歩くしか気…

巴里マカロンの謎 米澤穂信

ふぅーーーー!!11年ぶりの新刊じゃぁぁぁい!! わくわくが抑えきれない!! 相変わらずの名探偵思考(笑) やっぱラノベなんだよなぁ、描き方が。 小佐内さん絶対にショートボブだよな。 京アニでアニメ化しないかしら。 意識高いんだよなこの二人。小佐内…

高浜虚子

山国の蝶を荒しと思はずや ビッグネーム2番目来たな。 山岳地帯のような場所では、蝶という柔らかいものにも荒々しい野性を感じてしまう私は変かな?という句かな。 正岡子規に比べて、視点の誘導等の技術を感じる。 自分の持っている感性は変なものなのだろ…

幼年期の終わり(要約) アーサー・C・クラーク 

~国連事務総長代理のピーターはストルムグレンの失踪から激務に見舞われていた。世界の新聞は、全人類が世界連邦に賛成することを支持している西側のグループと、国家の自尊心を第一に考える東側のグループに分かれていて、東側のグループはせっかく独立し…