柳 真佐域ブログ

好きなものを好きなだけ語るのだ

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

幸福の無数の断片~新しい地図を描け~ 中沢新一

総評 目に見えていない地図の存在は、盲点だった。 世界がまだ冒険心に満ち溢れていた時に比べ、近代に迫るにつれ、物質的体験のようなワクワクする冒険はこの地球から無くなっていった切なさが、文章から感じられた。 その代わりに、新たなる視点を持つこと…

挨拶を返さない上司と仲良くなる方法

ストレス社会で生きる社会人必見のこのテーマで、今日は語ってみる。 挨拶を返さない上司と仲良くなる方法。 銘を打ったものの、自分でも苦笑してしまうこのテーマは、実際に自分が経験したことから考え抜きだした一つの結論です。 まず前提を作りたい。挨拶…

作品の“重さ”について

重い作品というものがあるので、語ってみる。 作品の重さというものは何か。 これは昔友人から、友人の同僚がジブリで働いていて、宮崎駿に言われた言葉から、意識するようになった言葉だ。 「この絵は重さが足りない」 と、彼(友人の同僚)は言われたらし…

悲嘆の門(中)

孝太郎の抱いた怒りは、紛れもなく正義の怒りだ。 自分の踏み込んだ先にあった〈何か〉以上のものとの出会いでもあっただろうが、これは間違いなく正義の怒りだ。 この感情が多分、孝太郎を突き動かす原動力になるだろう。 文章が完全にノッている。こうでな…

坂の上の雲(一)

三主人公、秋山好古(兄)・秋山真之(弟)・正岡子規(真之の親友)を中心とした、明治~大正の時代を駆け抜けた歴史小説。 好古はぼうっとしていそうでも、芯が強く、真之は跳ねっ返りの悪餓鬼、子規は天賦の才を持っているような印象。 書き方もそうだし…

君たちはどう生きるか

んんん~!物凄く良い本を読んだよいう読了感。 これを中学生の時に読んでいたらと考えると、とっても惜しいような、それでも今読んだことで、 この本の良さを10割受け止められる自分がいることは、これまでの読書経験(人生)の賜物なんだろうと思う。 他人…

はてしない物語(上)

いや~ヤバい。え? マジでこれが1970年代の児童文学?達しすぎでしょ!行き着いちゃってるよ! メタ的な手法といい、ファンタジーの終わりを書いているといい、感服です。完敗です。 モモに比べて暗いし、クセもあるなぁと思ったけど、終わってみたらすべて…

すべてがFになる

久し振りに小説を読んでいると歓喜したが、wikiを見た時、何だ、ミステリなのか。と思ってしまうのは何故なんだろう。 ミステリがミステリーの進化の形であれば、きっとそんなに残念に思う気持ちもないのだろうが、どうしてもトリックを狡く感じてしまう自分…