柳 真佐域ブログ

好きなものを好きなだけ語るのだ

幼年期の終わり(感想) アーサー・C・クラーク 

f:id:neocityproject:20200612102228j:plain

 

はぁーーーーーーーー!!!読み終わったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!実に読みづらかった!

 

途中、要約をすることを断念するほど文章が分かりづらく、自分の中に腑に落ちる瞬間が一切なかった。

 

本格SF作品として読んだのは海底二万里星新一くらいしかなかったので、本当に読むのやめようかなと思うくらい読みにくかった。

 

ハインラインは途中で挫折してしまったが、最後まで読むことが出来て本当に良かった。凄い達成感だ。

 

今までのどの作家よりも高く遠く難解な人だった。この人の考えていることの1%でも理解できたのかわからない。

 

ただ書いてあったことは、NHK100分名著の内容とほとんど差異がなく、100分名著の編集の仕方が上手く、本書の重要な要点を説明すると、たしかにあぁなるよなぁと思った。

 

番組以上のことも書いてあったが、理解が追い付かず、番組を見ていなかったら想像力が足りなくて、足場を築くことが出来ず、山頂まで登ることが出来なかっただろう。

 

でもSF作品って、何をやったのかだけが重要視されていて、文章の美しさとか文芸の良さみたいなのは感じにくかった。

 

あるにはあるんだが、作者がイギリス人とのことで、英語を日本語に翻訳するときに出る弊害、倒置法や主語が抜けていたりする文体が、

 

非常に文を読みづらくして、さらに、余分な説明を排して、自分の世界を突き進めるその不親切さが、不快に思うんだけど、

 

書いてあることがあまりに偉大で、書いた人があまりに尊大だから、文句をつけても鼻息一つで吹き飛ばされてしまうだろう。

 

覚えている限りで要点をまとめると、宇宙開発に勤しんでいたアメリカとソ連だったが、突如現れた異星人「オーバーロード」によるファーストコンタクトが行われた。

 

オーバーロードとの対応に追われる国連事務総長のストルムグレンは、異星人侵略反対を掲げる自由連盟の代表ウエインライトとオーバーロードの姿を全世界に見せるべきだと揉めていたが、

 

オーバーロードは取り合わず、ついには自由連盟の過激派がストルムグレンを拉致し、オーバーロードを脅迫した。

 

しかし、オーバーロードの技術により、ストルムグレンの監禁場所が分かり、救出。オーバーロード総督カレルレンは騒ぎが納まる頃、そうだなぁあと二十年したら姿を現すよとストルムグレンに言った。

 

いよいよその時が来てオーバーロードが姿を見せると、その姿は人間が昔描いていた悪魔そのものの異形の姿をしていた。

 

それでも人類はそれを受け入れ、オーバーロードと共に共存することにした。オーバーロードが地球にしたことは数多く、まず日取りと時間を決めて日食を起こし、宗教の問題を解決した。

 

それから闘牛で最期仕留められる牛の剣の刺さる痛みを全人類に共感させ、無駄な殺生をすることを止めさせた。

 

更に機械化を進めさせ、全人類が働かなくても食べたり服を着たりすることが出来るようにし、人類のほとんどは大学に通い、芸術と学問に勤しんだ。

 

その頃、オーバーロードの一人、ラシャベラクは蔵書の豊富な一般人の家で、本を読み漁っていた。

 

その頃、家の持ち主がパーティーを開き、その催し物で若い者が集まって、こっくりさんのようなオカルトじみた儀式をした。

 

その際、若者の一人が面白半分でオーバーロードの母星はどこにありますかと訊くと、儀式はひとりでにある座標を指し示し、その時一緒に儀式をしていたジーンが気絶した。

 

ラシャベラクはそれを知りカレルレンと連絡を取った。その頃、ジャンという男がサリヴァン博士と共に、オーバーロードの母星に潜入しようと計画を立てた。

 

オーバーロードが地球の生物を剥製にし、母星に持って帰るのに捕まえたクジラの中に、酸素室を作って潜入作戦を試みた。

 

オーバーロードの宇宙船はスタードライブ航法という光よりも早い速度で航行することが可能で、それによって相対性理論の関係で、光速で航行する宇宙船では3カ月でもその外の止まった世界では40年の月日が流れる。

 

ジャンは年老いたサリヴァンとはもう会うことは出来ないと決意し、酸素室の扉を閉めた。その頃、こっくりさんの時に気絶をしたジーンとその共にいたジョージとの間に子供が出来た。

 

名前はジェフ。ジェフはすくすく育ち、妹のジェニィも生まれた。その時、ジェフに突然超常の力が宿った。

 

海岸で遊んでいた時に地震にあい、その時の津波を真っ二つに割ったのだった。

 

ジョージは心配になりラシャベラクに相談したが、これは進化の形なんだと言われ、後に妹のジェニィも物体を手を使わずに浮遊させるようになり、夫婦は子供たちは自分たちの手を離れたのを感じた。

 

酸素室に入ったジャンは結局オーバーロードに見つけられたが、お咎めはなく、オーバーロードの母星を見学した。

 

そこは重力が5分の一で、広大な地下都市が蔓延り、そこには様々な生き物の剥製と、オーバーロードの上位の存在、オーバーマインドの存在を知ることになる。

 

地球では考えられない世界の在り様を見て、ジャンは地球へ帰る決心をした。

 

しかし、またスタードライブ航法で帰るには地球の時間は40年月日が進むことになる。

 

ジャンは行きと帰りで合計80年経った地球を見て驚愕した。あれだけあった都市の光が一つもなくなっていたのだ。

 

宇宙船が地球に降下すると、ジャンは地球の変貌を目の当たりにした。三億の子供たちが服も着ずに神聖な儀式をしている。

 

そこに言葉やアイコンタクトなどはなかった。全てがテレパシーで通じ合い、地に足を着いたりもせず、飲んだり食べたりなどという非効率なエネルギーの補給の仕方はしていなかった。

 

オーバーロードはジャンにもう一度オーバーロードの母星に来るかと訊いたが、ジャンは最後まで地球の姿を見ていたいと言った。

 

オーバーロードが去ると、ジャンはもうこの世で人間と呼べるのは自分だけなのだということを確信した。地殻変動が始まり、ジャンはオーバーロードが残した施設に入る。

 

そこで地球の最期を見守った。立ち上る火柱、地割れ、地球中心から立ち上るエネルギー。

 

子供たちは地球からエネルギーをすべて吸い取り、地球は消滅した。

 

オーバーロードが地球に来た目的は人類を次のステージに進ませ、大いなるオーバーマインドの意志に従って、あらゆる生物が進化するのを手助けすることだった。

 

って感じか?いやーーー小説じゃなくていい!これだけ読んだらそれだけで満足してしまう。

 

読んで見てもノンフィクション物を読んでいるみたいに感情移入が一切できないから(ノンフィクション読んだことないけど)何を思えばいいのかわからない。

 

ただ、100分名著を見た時に、オーバーロードが来たことによって、全人類が働かなくてよくなって、大学に通いまくるというのを見て、それはいい!そうなるべきだ!と思ったのでこの本を買ったのだ。

 

最期はオカルトな話になってしまったが、そういう仕組みを変えてしまうような大事件をもっと詳しく読んで見たかったのが正直なところ。

 

海底二万里を読んだ時もそうだったが、SFは余計な部分(理解できない部分)が多すぎる。

 

作者が何を言いたいのかもさっぱりわからないし、これが凄いってことだけしかわからないというのは本当に感動しているからなのだろうか。