柳 真佐域ブログ

好きなものを好きなだけ語るのだ

早食いの心理

僕の食事は早い。それは早食いが身に染みているからだ。

 

なぜ僕が早食いなのか。それは兄弟がいたからだ。

 

年子に兄を持つ僕にとって、日々の食事は戦場だった。

 

栄養をつけないと身体になっていかないし、部活でレギュラーを取っていた頃は、体作りは選手としての死活問題だった。

 

兄は僕よりも一回り体が大きく、牛乳が好物だったので、身長も高い。

 

そんでもって好き嫌いが激しいから、おかずとなる肉に真っ先に飛び付くため、自然と食べるのが早くなる。

 

父も好き嫌いが激しい方で、二人の好みのおかずの日は、あっという間に皿が空になる。

 

いや、空になるというか、それで米は食えないというおかずだけが皿に残る。

 

更にそこに姉と母も加わり、うちの家庭は比較的早く飯を食う文化が根付いてしまった。

 

そのお陰で、僕は外で誰かと飯を喰うとき、早すぎると驚かれる。

 

友達同士だったらまだいい。笑いの種になるから。

 

あっという間に喰って、他の人の注文の品が来る前に食べ終わることもしばしばある。

 

そんなとき、何故銘々の皿で出てきているのに、早く喰うのかという疑問が生まれる。

 

僕が飯を早く喰う理由は、他にもあるのだ。

 

出された料理の一番旨い時に喰う。

 

熱々のものは熱々のうちに。冷たいものは口の中以外では溶かさない。

 

ラーメンを喰う時は口の中を火傷するのは当たり前。

 

皮がベロベロになったなら美味しく食べられた証拠と思っている。

 

男がゆっくりまったり味わってどうする!

 

注文したら、なにも言わず水をすすって、料理が来たら、息も着かず平らげる。

 

それが男の飯って言うものじゃないかねぇ!

 

二郎に行ったときは、逆ロット乱しの異名を貰ったし、僕が早く飯を食うのは最早、鉄板ギャグとして浸透していた。

 

しかし思う。デートをしたとき、それではいかんと。

 

女性は食事に行ったとき、自分よりも相手が早く食べ終わると、なんだか急かされているような気がするらしい。

 

友人同士ならそんな心配をしなかった。

 

もちろん、僕よりも遅くゆっくりご飯を喰う友達もいる。

 

でもそれを見ていると、なんだか許せない気がしてしまい、僕の方が席を立つこともある。

 

美味しそうに食っていないからだ。

 

飯は飯で集中しろと僕は思う。

 

飯を喰うときは、箸やスプーンで掻き込むことだけを考えるべきで、歓談しながらとか、一休み、箸休めなんてしている場合じゃないのだ。

 

一刻も早く皿を空にすることが料理人への感謝の印であって、ゆっくり噛む、箸を置く、気をそらすことは冒涜以外の何者でもない。

 

大体、口の中には唾液が分泌しているのだから、ゆっくり噛んでいたら、料理が唾液で汚れてしまう。

 

せっかくのパラパラの米も、コシのある中太の麺も噛み続けるなら、流動食と変わらなくなる。

 

一番美味しいときに飲み込んでやるのが、あいつらも本望と思うに違いない。

 

ご飯はのど越し。

 

でもなぁ、デートの時まで早食いを貫けるかと聞かれれば、首は縦に振れない。

 

ご飯より重要なことだもん。

 

話ながら食べるのはマナー違反なんだけどなぁ。

 

早食いを許してくれる彼女が……いや、いやいやいや、変わるべきは僕の方なんだ。

 

というか早く食べ終わって、その間何をしているかというと、相手の食べている姿を見ることなんだが、

 

見られるのが嫌なのかな?

 

食べている姿っていうのは美しいものじゃないし、ビースターズでも言っていたけど、(食べるのを見るのは)えっちなことらしい。

 

えっちだったら良いじゃないかと、僕の中のおっさんが言っているが、

 

食べる姿を見られるのは恥ずかしいことらしい。

 

大口を開けて食べるのじゃあるまいし、と思ってしまうが、食べている姿を見るっていうのは、少しフェチ心を擽る。

 

女の子がたくさん食べている姿を見るのが好きかと聞かれたら、大食い選手権はあまり見ないよなと思うし、

 

やっぱり可愛い子が大口を開けて食べているのが好きなんだと思う。

 

いつか行きつけのハンバーガー屋に連れていきたいな。

 

とまぁ、早食いの心理というのはこういうものです。

 

何故早く飯を食う。それは早く食う使命を帯でいるから。