映像研には手を出すな~アニメ~
いや~最終回迎えてしまったかぁ。非常に面白かったです、はい。
浅草氏、金森、水崎氏のトリオの掛け合いが気持ちいい!
こんな青春送れたら系アニメにしては、異色。本格的にアニメを作っていく様は、才能と運と能力によって構築され、個性と個性がぶつかり合って、良い化学反応を起こしていた。
自分の想像だけで物語を描くのに、最強の世界の魅力は見ての通りである。
無邪気なキャラクターが、ストレスなく見れるのも利点。
中でも僕は水崎氏がお気に入りで、あの元気で活発な感じが、たくさん元気を貰えてよかった。
あと走り方を見るたびに笑ってしまう(笑)
水崎氏のこだわりはコアであるけど、二人に比べて、やりたいことは明確にあるとしても、個性の部分で弱いところがあったが、
七話の「私は私を救うんだ」で見せた確固たる答えを宣言したところで、三者が並んだような気がした。
金森も良いキャラしている。作者の大童澄瞳(凄い名前だな。名は体を表す)は金森タイプの人間と云う事で、常に金森のシーンは実に生き生きとしている。
中でも9話のチビ金森のエピソードは涙を禁じ得ない。
きちんと子供と青年を描き分けてあるのが良かった。
あと、金森がヤクザなことをするたびに、てこ入れが入ってバランスを取っているところに、金森愛と作品を趣味ではなく作品として成り立たせる配慮があったように思う。
作者とアニメスタッフの細かいこだわりが、各話に見られ、こだわりをアニメにした、というような印象を受けた。
浅草氏の個性の出し方は、最強の世界というアドバンテージがある分、他のキャラに比べてインパクト重視で、かつ多かれあるクリエイターとしての悩みの部分が、
キャラクターに上手く反映されていて、言いたいことを言わせるキャラクターになっていた。
個性の出し方も良かった。キャラ分けがしっかりしていて、役割分担も出来ていた。
こんな仲間がいたら自分の青春は違っていただろう、を思いっきり描いていて、いっそいさぎ良い。
芝浜という町もこんな町があったらという妄想が全開で、最終回の芝浜UFO大戦に至るまで、作りが練り込んであって良かった。
途中参加の百目鬼氏とライバル関係の生徒会書記もキャラが立っていた。
しかし、作品全体通して計算高い感じがする。人種を超えた作品を作りたいのか、それともキャラの個性を断たせたいのか、
どっちが優先されたかはわからないが、後者だったら随分と思い切ったことをしたなと思う。
最近のアニメは~と嘆いていたが、(全体で)半分くらい録画に残しておきたくなる神回が多くて見応えがあった。
流石、宮崎駿をあのジジイ呼ばわりするだけはある。
アニメを作っている方も、楽しんで作っているのを見受けられた。
ストーリーとしても、最終回に向けてだんだんと規模が大きくなっていき、ストレスのあるシリアスシーンはなく、大団円として終わったことに、新しい世代の作品を感じた。
あと、OPが良いよね。
フューウンウーンってとこで思わず体が揺れるし、水崎氏の元気のいい感じが出てて凄くいい。
原作物のアニメとしては、かなり評価が高いんじゃないのだろうか。
作品を作るには作品を作るための知識が必要なんだなぁと思わされる。
他でもない、大童澄瞳ただその人だけにしか描けない物語だった。
妄想力は大事だな。
湯浅監督は好い原作を見つけたけど、これと同じことがしたくても、こんなにオリジナルが強い作品+湯浅作品に出来る原作はないだろうな。
アニメにする時に、要所要所でカロリーを抑えるところがあって、もっと金があったらなぁと思わず。
こんな女子いるか、という声もあるが、こんな男子もいない。
しかも男子にして腐向けにしても売れる気がしないし、むしろ女子だからこそフラットな目で見られた気がする。
しかし、飯が旨そうに見えない。
あと、映像研が作る作品はアニメーションと世界観は凄いけど、ストーリーは微妙で、作品の中の作品面白くない説の域を出なかった。
こんなに仕事が出来る社員がいたら、アニメ業界ひっくり返るだろう。
原作は情報量が多すぎるから、アニメで省略することで、読み解くストレスがなかったのがアニメにして良かった点でもあり、
漫画ファンからしたらカロリーが少なくて、読み応えがなくなったと思う。
声優も良かった。まぁ、原作を1巻しか読んでないからというのもあるが、全キャラクター違和感がなかった。
三人の中だと、水崎氏の声優が気合入り過ぎかなぁという印象。
金森はヤクザ感が強すぎる時があってヒェっとなった。
二期も作りそうな気がするが、原作が溜まってないかな?
名言も多くて、ハッとさせられる。「仕事に責任を持つために金を受け取るんだ」「こだわりだけでなく客の購買意欲を掻き立てる内容を考えろ」とは、痛いほど身に染む。
見返してい観ると、至る所に伏線もあって、面白さと情報が多重構想になっている。
SEをキャラの声にするのも可愛かった。
浅草氏は大ボケ、水崎氏が天然+ボケ、金森のツッコミ、補助的に百目鬼氏で良いテンポだった。
水崎氏が他の二人に比べて人間臭い分、浅草氏と金森の迅速果断が際立ってしまって、才能の差みたいなのを感じた。
あと、ストーリーの中で発見があると、やっぱり凄みが出ていいよね。
おなかいっぱいまで食べてもまだ有り余る部分がある食べ応え十二分の作品だった。